ブルーベリー大図鑑から見る、素人の玄人超え

2006年の晩夏から開始したブルーベリー栽培。

家の軒先で、鉢栽培からのスタート。

始めの頃は、右も左も分からぬチイチイパッパであるからして、水切れの悪い用土に漬け込み、貧弱苗に仕立ててみたり。

水やりの感覚もわからない為、やり過ぎたり・やらな過ぎたりの過保護・不過保護。

幼い苗木にはキビしき栽培者であったと思う。

情報といえば、よそ様のサイトにお邪魔して、品種の豊富さに色めき、どの品種が一番美味しいか?どの品種が一番育てやすいか?とときめいて、まだ見ぬ青い果実を夢みて楽しんでいた。

それから今年で7年目。

耳も目もないオタマジャクシも、立派な新一年生として、小学校に通うほどの期間に匹敵する、この7年間。

残念ながら、私の栽培技術といえば、えて変わらん。

日あたりの悪いベランダで弱らせ、水はけ極悪の植え付けで枯らし、水やり忘れで枯らしとまるで成長が感じられない。

成長したのは、つらのシワと腹の肉。

とはいえ、今年はすべてのブルーベリーを、親戚の空き地で管理できるようになり(土地の水はけは最悪であるが)、陽あたりは最高。
マルチ用の資材も準備が楽になった。

昨年末からは、メンデイトー・ウィトウ・マル・ヌイ・レカ・プルも新たに増やして、私のブルーベリーコーナーは俄然、賑やかに。

新しく定植した、キウィが住む国から来たウィトウ・マル・ヌイ・レカ・プルは、若々しい枝葉を広げて、可愛らしいことこの上ない。

ケムシ取りにも身が入る皐月の始まり。


さて。

ブルーベリーの栽培手引書である。

私が最初に購入したのは、『ブルーベリーの作業便利帳』という本。

これを寝がけに読みながら、挿し木はうんちゃら、剪定はこうちゃらと机上の空論、寝床で妄想をするのである。

私のブルーベリー歴と同じく7年モノ(2006発行)。

今となっては、新しい品種なども載っていず、情報としての劣化が感じられなくもないが、便利手帳として、ありがたく読ませていただいている。

そして、もう一冊が『ブルーベリー大図鑑』。

この本には、ブルーベリーの栽培に関する記述はない。

日本で見られる品種(2006年当時)の違いを、花~幼果~青い果実~葉の形状にわたり、画像で示し、文章で魅せる図鑑なのだ。

しかも。

この図鑑の作者は、ブルーベルー農家でも、農業大学の先生でもなんでもない、市井の一般人。

作者はマーケティング関係の会社に携わっており、趣味でブルーベリーを栽培しているうちに、その魅力(魔力)に惹かれる。

そして、日本で栽培されている品種を調べるうちに、長野へ行ったり、青森へ行ったりのブルーベリージャーニー。

その姿は、まるでクエストを求める探求者のよう。ブルーベリーの巡礼である。

この図鑑、定価で3,800円成。

けっしてお安いお値段ではないが、その当時の私、ちょっと心がどうかしていたのか、迷うことなく購入。現在に至る。

図鑑には、品種の紹介だけではなく、品種が生まれた経緯から、ブルーベリーマーケットに対する苦言など、作者の深い洞察力がうかがえ、唸らされる。

ブルーベリー関連の書物では群を抜いていると思う。

刊行から7年が過ぎたこの傑作。

今では市場に出回らない為、中古相場では倍以上の価格となってしまった。

そのため、作者がこれに嫌悪し、ウェブ上で電子化。

今ではネットで、だれでも閲覧可能な図鑑に。

現在は、随分と新しい品種も増えており、図鑑としての価値は衰えているかもしれない。

しかしである。

まったくの素人が、ブルーベリーの専門家でもない一般人が、ここまでの情熱を持って、日本中を駆け巡り、地道に編纂したことには、瞠目せざるをえない。

ブルーベリーの文化史、歴史に残る名著とは当然の褒め言葉であろう。



玄人はだしと言葉がある。

玄人もはだしで逃げ出すほど、素人が芸や技術に優れていること。

世の中には、普通の人が、名も無き凄腕として、あちらこちらに潜んでいる。

専門職・専門家という自負がある人々は、くれぐれも、このような達人に足元を救われないように、気をつけなければならない。

己の職業とするところ、怠らず、邁進しなければならない。

ユメユメ。あなたも。わたしも。

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いい情報でした

初めまして
 いつも読ませていただいておりますが、今日の情報は勉強になりました。というのは、ブルーベリーは作っていますけれど、その方面はまったくの素人で、作って実がなれば食べるというぐうたらです。これから、いろいろな種類の実を紹介すると予想されますが、楽しみにしています。
 草々

ささげくん様、こんばんは。

コメントありがとうございます。
今年で、7年目になるブルーベリー栽培ですが、至らぬところが多いようで、上手に育っていないのもあります。
しかも、品種不明で、どの品種がなんて名前やらわからないという体たらく^^;

まだまだ勉強することが多い若輩者ですが、どうぞ宜しくお願いいたします。
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