春一番 一番桜

春一番。


こう聞いて何を思い浮かべるか?



ある人は、キャンディーズの某有名歌謡曲を想像し。


ある人は、元気ですかーー!の某有名?芸能人を心描くであろう。



どちらも正しいが今回は違う。



春の到来を告げる大風のことである。

(猪木の方を想像した人とは友達になれる自信がある)





先日のニュースで、全国的に春一番と呼ばれる暖かな南寄りの大風が吹いた。


毎年、この季節になるとやってくる春の風物詩。




言葉の語感を聞けば、キャンディーズの歌の影響もあり、希望に満ち溢れた、華やいだ清々しいイメージを持たれるかもしれない。



しかし、私の住んでいる壱岐には、こんな話がある。



安政6年(1859年)2月13日、長崎県壱岐郡郷ノ浦町(現・壱岐市)の漁師が出漁中、おりからの強風によって船が転覆し、53人の死者を出して以降、漁師らがこの強い南風を「春一」または「春一番」と呼ぶようになったと紹介している。


一方、長崎県では、この事件以前から郷ノ浦町で「春一」と呼ばれていたものが、事件をきっかけに広く知られるようになったとしている。


この故事により、1987年(昭和62年)に郷ノ浦港近くの元居公園内に「春一番の塔」が建てられている。


>春一番 Wikipediaより一部抜粋。



春一番の語源は他にも諸説あり、実際どこが古いかはよくわからないが、気象庁の発表では当地のこの海難事故が例に取り上げられている。





壱岐は郷ノ浦の元居港から出航した七隻の船。


漁師が向かっていたのは、同じ長崎県内にある五島。


江戸時代の船が、およそ80キロも離れた五島まで行くというのだから大したもんである。



今の時代のようにエンジンなどない、人力のみの櫓漕ぎ舟。


ソナーもレーダーもないまま、感と経験を頼りに玄界灘を進んでゆく。



想いを馳せれば、その時代の船乗りが持つ海洋航海能力というものは、現代人には及びもしないような、大変に素晴らしい技術であったと考えさせられる。



そんな航海の達人たちでさえ。


自然の脅威には逆らえず、155年前のこの季節、海の藻屑と相成った。





現在でも船の海難事故は変わらず起こっている。


私のご近所さんにも、漁の最中に波に飲まれ、帰らぬ人となった方がいる。




船での事故では遺体が残らないことがある。


波に飲まれて、大海の彼方へ流されるから。


身元不明のまま、線香をあげる家族もあるのだ。



ある船の故人は、海に落ちた際に、もうダメだと悟ったのであろう。家族に迷惑がかからぬようにと、船から垂れたロープに腕をきつく巻きつけて、体を波に流されないようにして、亡くなっていたらしい。


その船の壁面には、必死に船上へ上がろうともがいた、彼の爪痕が幾つも残っていたと、父が話してくれたことがあった。



板子一枚 下は地獄とはこのことである。



そのこともあって、私にとっての春一番は、ちゃらちゃらしたイメージというより、追悼の風の印象が強い。







さて。


春一番は吹き終わり、私の果樹園には一番桜がお目見えし始めた。









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2014年のシバザクラ。





春一番のぬくい風に誘われたのか、こちらの嫌なお方も。







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スモモの太陽でちらり。









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スモモの大石早生でほらり。


春の弥生のこの良き日、なによりも嬉しくないお客様。

早速ご退場頂いた。










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樹の上の旦那。



冬眠明けで蟻だか小虫だか喰って腹がパンパン。

地上戦における害虫駆除担当は貴君にお願いする。

comment

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樹の上の旦那さん

好きですw
毛虫、昨日、道路を渡っているところを見かけ、早いなとw
空気の色が違ってきましたね。
(春一番というと、、私の場合、砂嵐かな…)

Re: 樹の上の旦那さん

きくちゃん様、こんにちは。

樹の上の旦那、いいでしょ。
組んだ前足がまた、可愛らしいんですよ。
彼(もしくは彼女)には、果樹に悪さする虫をしっかり退治してもらいましょう。


こんにちは

漁師さんって、そんなに危険なお仕事だったんですね。

何気に食べているお魚でしたが、
これからは感謝していただくことにします。

No title

春一番にはそんな話があったんですね。
こういった話を聞くと、去年近所の人が川で流されて亡くなったのを思い出します。
水ってのは怖いもんだと改めて思いますね。

そちらはもう春きてますね。
こっちに春は来ないかもしれません(笑

Re: こんにちは

paya様、こんばんは。

どんなお仕事にも色々苦労はあると思いますが、
自然相手の場合は命の危険は常に付きまといますね。

農家や漁師などの職業人が、海や山の神様にお祈りやお供えをするのは、
自分の力ではどうすることもできない、自然の脅威への畏怖の念でしょうな。

Re: No title

椎たけ夫様、こんばんは。

水の事故は本当に怖いです。
普段、あまりに身近にありすぎるから忘れてしまいますが、
大雨や洪水なんかの水害を目の当たりにする度に、自然の力を痛感します。

>そちらはもう春きてますね。
>こっちに春は来ないかもしれません(笑
こちらはすでに本物の桜も咲きましたよ。
そちらの雪景色は相変わらず。。。
というより、凄い積雪に言葉もでませんわ。
除雪の際は、お気をつけて。

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