入院回顧録 その三 体の傷は男の勲章


ふと目を開けると、目の前には丸いライト。

マスクと帽子をかぶった人人人。



すぐに自分が、まだオペ室にいることを自覚した。


しかし、体の自由がきかない。


手も足も、動かそうにも痺れて動かんし、なんか腹ゴソゴソされよるし。



どうやら麻酔が切れるのが早かった様子。


目だけキョロキョロさせて、私起きてますよアピールをするが、誰も気づかず。




麻酔が切れて一番つらかったのは、口に突っ込まれていた何かの管。


のどちんこあたりに触れて、嗚咽が何度も湧き上がる。

(この嗚咽で覚醒してるのを知ってもらえた)



おヴぇ~オヴぇ~と涙を流して吐き気を催すが、嗚咽のたびに、腹に力が入り傷口が痛んでしょうがなかった。




ちょうど手術は最後の仕上げだったらしく、皆様に見守られながら部屋に運び込まれ、ベッドに寝かしつけられる。




術後に担当医に聞いた話。


私の手術、30分で終わる予定が二時間以上もかかっていた。



というのも、無駄に痛みを堪えて一週間も病院受診を我慢したせいなのか、炎症が広がりまくり。


虫垂が破れて色々と大変だったとのこと。



我慢強いも良し悪し。


麻酔も切れて当然か。



もう少し遅れてたら、腹膜炎にかかる可能性もあり、もっと大ごとになっていたかもしれないと脅された。



そのせいだろう、初めは二つしか腹に穴をあけないと聞いていたが、いろいろあって四つ穴に。


追加で二つも穴をあけられて、腹の中の汚れを洗浄してもらっていたのである。


銃弾の痕みたいでちょっとカッコイイような。




さらに下のお宝の先には留置カテーテル(おしっこ通す管)を突っ込まれ、いよいよ病人然となっている。


しかも、手術衣の下は、尿取りパッドだけしかあたってなく、紙オムツも何も履いてない。




いや、別に紙おむつを履きたいわけではない。


おしっこはカテーテルに繋がれてるから心配はいらないが、パッド一枚だと、もしも運子が産まれた場合、どうにも逃げようがないではないか。



痛む腹をさすりながら、ベッドの上で白い尿とりパッドを尻の方まで引き上げて、運子はこれで引き受けようと、密かに心に決める。




今日の受診、病院で痛み止めもらって帰ろうぐらいに、のんきに構えていたのだが、初入院&初手術。


腹には四つ穴までこしらえるという、目まぐるしい一日に。


他の病気や怪我で入院する人も、こんなにバタバタと入院&手術してるんやろうなとぼんやり思う。




さて。


手術も無事に終わったし、あとは10日くらい療養して、ベッドで寝て帰るだけと考えていたのだが。


ここからが本当の戦いの始まりであった。





痛い。


とにかく痛い。


腹に穴が開いてる箇所の痛みもさることながら、右下っ腹の痛みが前にも増して強烈になってきたのである。



例えるなら、はらわたにフォークぶっ刺して、グルグル回してズコバコ引っ張るとでも言おうか。


物凄い激痛で、とても安静になんかしちゃおれん。



夜は夜で、看護師さんは優しく、体の体位を変えようとしてくださるのだが、右向いても痛いし、左向いても痛い。




腹の痛みが激しくなったら、痛み止めの薬を点滴で投与してもらう。


「忙しい夜勤の最中、さぞめんどくさい患者とお思いでしょうが、どうか堪忍してー」と心の中で謝りながら、ナースコールを1時間おきで鳴らしまくった私はさぞ迷惑な患者様であったことでしょう。



しかし、この痛み止めの点滴も、効果時間が短く、効いてきたと感じて眠りかける頃に効果が切れてしまう。



全然寝れん。




入院初日の夜明けも、前日と変わらず不眠で迎えた私。



フラフラになりながらも朝から部屋の変更を申付けられ、四人部屋へ移動することに。


部屋移動の準備をあれこれする。(看護師さんが)


この時に留置カテーテルをひっこ抜かれた。




ベテラン看護師さん「はい抜きますよっ。ズボッ」

私「はあぅ!」



心の準備が整う前にいきなり引き抜かれる。

尿道に今まで感じたことのない何とも言えない刺激。


痛いような痺れるような。




ここで一考。


私のような小宝はすぐ引き抜けて楽なほうだったが、立派な銃身をお持ちの紳士にはなかなかの気苦労があるではないかしら。



あほなことを考えながらリハビリパンツ(紙パンツ)に履き替えて、一人歩いて四人部屋を目指す。



思えば二日前の夜、腹が痛いくせに飲み会に参加、二次会のカラオケでは橋幸夫のモノマネをする清水アキラ(顔は鼻にセロハンテープを貼って研ナオコ)のモノマネをしながら、恋のメキシカンロックを熱唱して皆で楽しんだのに。


今は、ひとみ婆さんよりもさらによぼよぼな足取り。


自分が、ここまで動けなくなるとは思わなかった。




さすがに車いすは使えないのかと甘い考えを持ったのであるが、今の医療は安静よりリハビリ。


術後は自分で頑張るしかないの。



カメの歩みでよろよろと、目指す四人部屋にたどり着き、お仲間への挨拶もそこそこにベッドに崩れ込んだ。




入院二日目。


この日の夜も、痛みで眠れないまま朝を迎えた私。


もちろんナースコールは手放せなかった。


comment

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No title

麻酔途中で切れるって怖いですね。
私のは切れなかったんですが、
切った後になかなか起きなくて慌てたみたいです。

尿道カテテール、あれは・・・
引っこ抜かれるときに中身吸いだしてから抜かれたんですが、
なんか内臓持ってかれる気分でしたよ(笑
その後「小」しようとしたら奴からガスが出てくる始末(爆
ありゃあすごい経験でしたね。

No title

穴・・4つも開けられたとは。。。
そりゃ~ 30分が 2時間も掛かっての、手術・・大変でしたね。

可愛い? おへそが 元に戻ると良いですわね~ ^^

ちなみに、夫も大昔に虫垂炎の手術をしたそうです。
癒着してて、長い時間掛かったそうですわ~

結婚前の19歳の頃のはなしです~ v-410

No title

家族が手術をすると決まり、
全身麻酔をする時には、
必ず意識が戻るという保証がないので、
それはそれは緊張しますし、祈るしかありません。
うちの子どもは「硬膜外麻酔」をして術後に備えていました。

とにかく、
ご無事で生還なにより!
またカラオケでもどこでも行けますからね♪

No title

旦那様!!!!!
更新がないなぁと心配していましたが、

ええええ~~~~入院してたのですか!!!

虫垂炎…幸い経験がないのですが、さぞお辛かったでしょう…
今のご加減はいかがですか。

師走、やっとゆっくり(でもないけど)PCに向かっております。

旦那様からのコメント、うれしかったよ☆

健康が一番だね。寒いから風邪引かないように。
お大事になさってくださいねv-22

Re: No title

椎たけ夫様、こんばんは。

先っぽからガス!?
カテーテルの中の空気が中からでたんでしょうかね?
なんとも想像すると玉がキューンとなってしまいます。

でも、カテーテル刺してる間は自分で便所に行かなくていいから、
ビール飲み過ぎておしっこ近くなった時には便利だなと思いましたw

Re: No title

みやこ草様、こんばんは。

女子より一つ多い四つ穴ですよ。
羨ましいでしょ(*´з`)

私は癒着まではいってなかったのですが、
癒着してたら今頃はまだ病院だったかも。

どんな病気でも、早めの対応が一番と痛感いたしました。

Re: No title

なおさん様、こんばんは。

そういえば、手術前に麻酔のことで先生から説明があったような。
なんか署名もしたのですが、あの時は痛さで先生の話は全く耳に入ってなかったような。

ちなみに。
カラオケに行く際は、セロテープ持参をお勧めします。
一貼りで誰でも変顔になれる素敵アイテムですよ。

Re: No title

yukie3様、こんばんは。

おひさしぶりでっす。
この時期の果樹は、葉は枯れるし実りもないし、更新するほどネタがなくて(´Д`)

今は依然と変わらず普段通りに生活しておりますよ。
健康が一番ってありがちな言葉やけど、
病気になってホントにその言葉が沁みますね。

師匠も走る、寒い12月です。
お互いに体には気を付けていきましょうね。

No title

藻の上の旦那さん、痛かったですね~。
手術お疲れ様でした。もう手術はこりごりでしょう。
痛みで夜一睡もできなかったの、よくわかります。術後の痛みに耐えられたらきっと殿方でも子供の一人くらいは産めますよ~。(笑)
術後の痛みはそんな痛みです。きっと。術後も記事を書かれていらして、本当に気丈でいらっしゃいますね。リハビリ、大変でしょうけれど頑張って下さいね。

No title

以前の虫垂炎の手術のイメージと
随分違うんですね(@_@;)

全身麻酔でしたか・・・
しかし、途中で目が覚めるとは恐ろしい(>_<;)

術後は痛いですもんねぇ。
寝返りも、笑うのも、咳も・・・
でも、これらはちょっと心構えができてるから
お腹を手で押さえながら加減してできるけど、
くしゃみは強さのセーブが間に合わないうちに出たりして、
超痛かったのを思い出しますです。

そういえば、麻酔じゃないんですけど
検査の時に使うボ~っとする薬が全然効かなくて
「日頃お酒飲むでしょ?」って言われたことがありました。
旦那さまの鎮痛剤の効かないのは
お酒のせいとか関係ないものなのでしょうかね?

No title

麻酔途中で切れるって・・・想像しただけで痛いです。f(^^;)
でもこの手術って、失敗になるんでしょうか、
それとも無事に生還してるから成功って事にしちゃうんでしょうか?(笑)
麻酔科医が「私失敗しないので」なんて言ってたらヤですねえ。(汗)

しかし大変なんですねえ・・・。
私の盲腸は、最後までお変わりありませぬように・・・。m(__)m
もしもの時は、我慢しないようにします。f(^^;)

No title

いやいや、病気はなんでも
早期発見、早期治療に限りますな。
わたしも入院・手術のとき経験したことない痛みに、
今回だけ助けて〜!と普段しない神頼みを何回したことか。
お察しします。

No title

お大事に。

小生来年の還暦
盲腸は、小学校四年の時
切りました。手術三日後には、
退院しましたけど

今なら、大変なことに
なるんですね。

早く回復するといいですね。

No title

旦那さ~ん!
そんなことになっていたとは!
大変な手術だったようで、お疲れ様でした。
早く完治するといいですね。

いつきても更新がないので、まさか事故に巻き込まれたとか?と心配してました~。
手術大変でしたけど、かえって来れたようで何よりです^^
生きててよかった!

しばらくはモノマネカラオケは封印して、体力回復に徹してくださいね!

Re: No title

Reveille 様、こんばんは。
ご無沙汰しております。

今回、初めて本格的な手術ってのを経験したんですが、
あの時の腹の痛みだけは本当に参りました。
痛みで寝れない日々が続いたおかげか、ダイエットには成功しましたけど。

今現在は痛みも落ち着いて、普段通りに生活できております。
病気になってはじめて、普通に暮らせることの有難さを実感しますね。

Re: No title

paya 様、こんばんは。

最近の手術は進んでますねぇ。
腹の傷も小さいですし、今のところ経過も良好みたいで安心しております。

>くしゃみは強さのセーブが間に合わないうちに出たりして、
>超痛かったのを思い出しますです。

これわかるわ~
私も療養中、一番気を配ったのは、咳とクシャミでしたもん。
どちらも息を止めて、無理やりのみこんでこらえてましたよ。

以前に聞いた話ですが、お酒飲みさんは麻酔薬が効きにくいとか。
体が「酔」になれちゃってるからでしょうかね。
いずれにせよ、飲み過ぎは禁物ですなw

Re: No title

akkyan様、こんばんは。

麻酔が切れたのがわかったときは、恐怖よりも、
こんなコントみたいなことが現実にあるんだと関心してました。
(涙流して吐き気に襲われてましたが)

手術は多分、成功でしょう。
今生きているなら、結果オーライですよ。

>もしもの時は、我慢しないようにします。f(^^;)
今後は私も、どうかあったらすぐに、クレーマーの如くギャーギャー言おうと思いよりますw

Re: No title

marupoteto 様、こんばんは。

>今回だけ助けて〜!と普段しない神頼みを何回したことか。
アハハ。ですよねぇ、私もそうでした。

正月に、無駄にたいそうな願いをかますくせに、
小銭しか仕込まない私の願いが通じるとは思いませんが、
とにかく何かにすがらないとやってられないんですよね。
そして、痛みが過ぎると神様を忘れるというw

今年はそこそこ支払って、今後の無病息災を願いたいですな。

Re: No title

がんばー様、おひさしぶりです。

術後三日で退院ですか!?
凄い早い退院じゃないですか!
健康でいらっしゃいますね。

おかげさまで経過は上々で、今は元気にやっておりますよ。
寒くなってきましたので、お体を壊されませんように。

Re: No title

ちょしっち様、こんばんは。

初の入院&手術、めくるめく入院生活を楽しんで(苦しんで)まいりました。
おかげさまで経過もよく、依然と変わらずくだらないことばっかり考えておりますよ。

ブログにあったバスク料理、美味そうですな。(ピンチョス!)
少し前にテレビで、バスク地方の特集をみて
料理がおいしそうなところだなと思っていた矢先のエントリー。
ごちそうさまでした~
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玄界灘に浮かぶ壱岐で、果樹栽培に勤しむ中年です。
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