春の足音が聞こえてきそうなほど暖かい、麗らか日和。
某大手ブルーベリー苗木会社に注文しておいたブルーベリーが届いた。
ラビットアイ品種、オクラッカニーの三年生。
泣く子も黙るPVP(Plant Variety Protectionの略かしら)。
この品種はパテント品種と呼ばれるもので、勝手に挿し木を増やしたり人に譲渡できないように、契約を交わすことが必要。
以前はこの苗木業者で購入する際、パテント品種に限っては10本以上でないと購入出来ないようになっていた。
経営目的での栽培なら話は分かるが、素人の趣味栽培で、同じ品種を10本以上購入という決まりに抵抗があり、今まで手を出さないでいたのだが。
いつの間にやら1本からでも購入できるようになり、今回、私のブルーベリー部隊に選抜した次第である。
私の住んでいる地域は比較的温暖で、冬場でも0℃を下回る日が少ない。
本日も昼間は15℃くらいまで温度が上がり、ズボン下に履いたヒートテックは、暖かいを過ぎて暑さで蒸れ蒸れに。
そのせいだろうか、寒冷地に向くノーザンブルーベリー品種のヌイ・プル・レカのニュージーランド勢が弱りまくり。
暑さに強いラビットアイとは裏腹に、成長が悪い。
(昨年夏の暑さと水不足が影響と思われる)
やはり適地適作である。
暖かい地方には暑さに強い品種を。
なおかつ美味さに定評のあるこの品種なら、きっと我が愛に応えてくれるにちがいない。
まずは根っこのチェック。
底までビッチリ張った根。
これをバケツに汲んだ水でジャボジャボ根洗い。
ブルーベリーを植え付けるときは、この根っこ洗いを十分に行った方が、その後の経過がよいみたい。
底まで巻き付いてコンガラガッタ根っこを、優しく激しくびちびちと引き外していく。
しかし、この幼苗、有名業者さんだけあって、根っこの張りが素晴らしい。
腋毛のようなもじゃもじゃの根っこがでたら、今度は用土に植え付け開始。
植え付け用土は以下の配合。
ピートモス:5割
針葉樹皮:2割
もみ殻:2割
パーライト:0.5割
鹿沼土:0.5割
ざっとこんな具合。
本当はもみ殻と針葉樹皮の割合を増やして、少々値の張るピートモスの割合を減らしたかったのであるが、失敗したくないので、あえて栽培書に従った基本的な用土にしたつもり。
パーライトは通気性というより、コガネムシの幼虫予防の意味を込めて混ぜてみた。量が少ないのであまり大した効果はないと思われるがはてさて。
2本の幼苗をそれぞれ植木鉢に突っ込み、優しく用土をぶちまける。
さて。
定植地について。
前回、ブルーベリー畑で剪定を行っていた際、悪魔のような子供に苗木をボコボコにされた。
このまま、あのケルベロスのテリトリーに植え付けるのはちょっと勇気がいる。
そこで今回の新規ブルーベリーは山の畑に植え付けることに決定。
今日植え付けた植木鉢は借りの住まいである。
今まで山の畑にブルーベリーを植え付けなかった理由。
それは水源が確保できず、夏場の水遣りが満足に出来ないことが原因であった。
しかし、せっかくの新規品種、しかもラビットアイの中では評価の高いオクラッカニーを、既存のブルーベリー畑に植えても、あのチビどもにしばき折られる可能性が高い。
子供の悪戯で命を失うくらいなら、過酷かもしれないが山の畑で育てよう。
用土の都合で山の畑への植え付けは後日になる予定。
昨年の、燃えるような夏を思うとアゴが出そうになるが、多めのマルチングと出来る限りの水遣りで、気張って育てていきたい。
玄関先で簡単に果樹栽培が出来ると思われている(ふしがある)
ブルーベリー。
しかし、根っこが細く、また地中に浅く張るために、水切れに弱かったり、用土は強めの酸性が良かったり、通気性を良くしなければいけなかったりと、何も知らない素人さんが育てるには意外とハードルが高いのではないかと考える。
暑い真夏に水遣りを怠ったりしたら。
致命傷も免れないことがあるブルーベリー。
なかなか繊細な果樹である。
だが、あの可愛い小花と愛らしい果実を思えば、栽培への希望は尽きることが無い。
明日、世界が滅びるとしても、
今日、私はブルーベリーの木を植える。
果樹畑を開拓するときに、家に持ってきた枇杷の幼苗。
三つの植木鉢に分け、玄関先で育成していた。
そのうちの一鉢は、昨年末に近所の知人宅に嫁いで行き、残る2鉢を育てていたが、諸事情により玄関先での鉢植え栽培を断念することに。
この2鉢分(6本)の幼苗をどうしよう。
家の周りに植える場所はなし。
さりとて燃えるゴミとして処分するような真似もできない。
色々思案した挙句、出した答えは【出戻らせる】こと。
山の畑に植え戻すのである。
さて。
現在、山の畑にはスモモやモモを植樹しており、空きはない。
どうするか?
私が叔母に借りているこの山の畑。
下段にも畑があるのだが、ここは完全な耕作放棄地。
私が開墾した山の畑と同じくらいほったらかされていた為に、イバラと葛の一大群生が広がっている。
誰の手も入っていないここに、枇杷を植え付けるのである。
ちなみにこの荒れ畑、叔母の家の畑ではない。
いわゆるこっそり植樹。
全くよその畑に植え付けるのは気が引けるが、何十年も使っていない畑であるし(畑というより荒地)、植える枇杷も本来であれば、この山に生えている枇杷の子供。
これはつまり出戻りなのである。
ここはひとつ、我が枇杷の幼苗育成場として機能していただこう。
イバラの幹を堀り切って、葛のつたや腐葉土になりつつある枯草をどかし、枇杷を密植。
6本も植えたことだし、1本くらいはまともに育つでしょう。
問題は、真夏の雑草。
去年の7月、この荒地は一面、1m越えの凄まじい草の絨毯と変わり、私の行く手を阻んでいたのだ。
枇杷の成長を願いつつ、スイセン香る夕陽のあたる丘を下る。
今日は休日。
まとまった時間がとれたので、ブルーベリー畑へ。
風のない穏やかな日差しの中で、ブルーベリーの剪定をする。
デライトの紅葉。
赤銅色の葉に白いブルームがかかり、美しい。
この株は、ひこばえを掘り起して植え付けた子株である。
他のブルーベリーは概ね葉を落としているのであるが、この若い新参者は地味だが光沢のある赤を身にまとい、新春の太陽のもと、元気に育っている。
ウィトウの花芽。
ニュージーランドからの使者。
昨年植え付けたばかりのニュービーである。
幼木に花芽は厳禁。だもんでこの後すべて花芽は落とした。
まだ1月というのに開花宣言。
大いなるフライング。
若いサンシャインブルーは早漏気味。
こんなに早くては女子は喜ばんですよ。
キク科のスノーボール(たぶん)
このお花、私が植え付けたわけではない。
ブルーベリーの株の周りに、勝手に叔母が植栽したもの。
これが数十本。
小さな株とはいえ一仕事あったことと思う。
まあ、私も叔母ん家の空き地に、それこそ勝手に何本もブルーベリーを植え付けているので、文句はいいません。
スノーボールは花も綺麗かしね。
もともと叔母がやってる畑に植えてあるのだが、群生した芽が一斉に開花した姿は見事というよりほかない。
純白の白い花びらに明るい黄色が映え、それがいくつも乱れ咲く様は、心がほのぼのとした気持ちになる。
しかし、本来はもう少し暖かくなって花が咲く品種。
ブルーベリーのサンシャインブルーにせよ、狂い咲くのはこちらの冬が暖かいせいであろうか。
暖かな日差しの中、半年後のブルーベリーの果実に思いを寄せながら、一本一本剪定をしてゆく。
私の剪定は全くの我流。
小さな枝は切る。
内向きの枝は切る。
切るか残すか迷ったら、切る。
何かの本だったか、迷わずやれと書いてあった気がしたので、躊躇なくバシバシ片づけていく。
小春日和とでもいうような、暖かい午後。
順調に作業をしていると、三匹の男の子が現れた。
何れも叔母の孫。
私の従妹の子らである。
上から5歳、3歳、2歳の可愛い盛り。
一番下の子が歩く姿はまるで天使のよう。
しかし。
見た目は純潔の結晶のようである彼ら。
行う所業は非道の極み。
まず手始めにその辺で拾った木の棒で私を叩く。
ひとしきり楽しんだ後は目標の変更。新たなる得物探し。
次の標的は件のブルーベリー。
何かの強敵と戦ってらっしゃる様子であるが、それは私の大事なブライトウェルです。
薙ぎ払われて折れるシュート。舞い散る花芽。
今、剪定したばかりなのに。
私の剪定が甘い!とばかりに強引に添削してくださる心無い先生方。
もちろん足元のスノーボールも例外ではない。
三匹の悪魔に順番に踏まれ、花の咲いた株はほぼ全滅。
(上記の花の画像は生前のもの。合掌。)
災害というよりほかない。
花踏み仕事で足をならした後は、イチジクを植えてある崖にかけ上り、上から石投げ攻撃。
2歳のチンピラが転げ落ちてはと心配になり駆け寄ったが、上の子に、情けは無用と木の枝を投げつけられる。
彼らに悪意はない。
ただ純粋に面白がっているだけである。
だから、余計に始末が悪い。
こちらが正しい日本語で「花が可哀想だからやめなさい」と言ったところで聞く耳は持ちゃせん。
2歳のガキに正論だの道徳など意味はなかった。
15分ほど暴れまわった後、「ゲームしちくる」と言い残し、三体の使徒は家に戻っていった。
私を笑わせ、怒らせ、心配させて。
思えば、遠い日の自分もあの子らと一緒であった。
親を心配させ、怒らせ、呆れさせ。
鼻水を垂らして笑う姿は、あの日の自分である。
苛立ちはする。
だが、その愛嬌を憎むことはできないでいる。
この三匹の悪魔。
従妹が仕事の都合で壱岐に帰ってきている為、叔母の家にいる機会は多い。
つまり、この私のブルーベリー畑は悪魔の支配下にあるといっても過言ではない。
果樹栽培に新たな敵の登場である。
以前、多肉植物についてエントリーしていた。
昨日、その多肉を採取した場所に行ったので記録を。
建物屋上の片隅にひっそりと生存する多肉。
苔とも見事に共生中。
しかし、この苔の生え方。
綺麗なドーム状がなんともいえず美しい。
この多肉植物。
前回訪れた時よりも、数は減っていたが、その当時と同じ形で生存していた。
十分な用土もないコンクリートの上で、よくここまで生きているものだと感心する。
で、私が持ち帰った株はというと。
にょーんと成長中。
同じものとは思えない形状。
胴体からは花?みたいなものが出ている。
日当たりが悪くて徒長したのか?
突然変異でこうなったのか?
原因はさっぱりわからないのであるが、全く可愛らしくなくなってしまった。
屋上の片隅で、ワイルドでありつつもひっそりと生存していた品種とは思えない変貌ぶり。
環境が変わったせいでの変化と思われるが、植物の生きる能力には感嘆を禁じ得ない。
日本中を寒波が覆う今日この頃、みなさんいかがお過ごしだろうか?
本日は仕事が休みであるため、久しぶりに山の畑に。
畑へのみちすがら落ちていた、獣の毛。
毛色の配色から狸ではなかろうか?
半年前の暑かった夏を思い出せないほど、寒さが身に染みる我が果樹畑。
以前のような緑の雑草は消え失せ、いかにも冬の様相を呈している。
私の住んでいる壱岐は、暖流である対馬海流のおかげで、比較的冬でも暖かく、日本海側とはいえ雪もそんなに降らない。
しかし、今日は、細かい雪がハラハラと落ち、舞い降る雪が余計に寒さを感じさせる。
こんな寒い日には、普段使いの防寒対策では心もとない。
今日はこんな素敵アイテムをご紹介。
このフルフェイスのニット帽。
かれこれ十数年前に、磯釣りにハマっていた時に購入したもの。
冬の風は冷たい。しかも乾燥している。
水分の少ないおっさんの頬はデリケート。
寒さと乾燥でこれ以上、肌をイジメてはいけません。
顔は男の命である。
保温と保湿を兼ねて、アロエクリームを塗りたくり頭にかぶる。
蒸着。
笑ってはいけないのお尻たたき要員そのまま。
街中では恥ずかしくて被れないが、誰もおらん山の畑なら大丈夫。
モモ、川中島白桃の芽。
モモ栽培は初心者である為、これが花芽か葉芽かよくわからない。
というより、この川中島。
夏に雑草に負けて、日当たりが最悪の中にいたもんだから、極めて成長不良。
これより先の成長に影響がでないように、芽は落とした方がよいのであろうか。
不安である。
芝桜。
9cmポット苗の小さなおちびさんであったが、今では直径30cmほどに成長している。
春の開花が楽しみ。
この日は寒さで枯れた枯草を寄せて回ったり、畑の周りに伸びてきたイバラの枝を刈って過ごした。
前年に、それこそ親の仇のように駆逐したイバラ。
夏の雑草軍団の陰でひっそりと勢力を広めていた。
他の草木が枯れて、見晴らしが良くなった今、新たに新芽を育む彼らの逞しさには頭が下がる。
だが、横を通るたびに、トゲトゲの枝が服に刺さり、いやらしいことこの上ない。
この冬もまた、イバラとの格闘が始まる。
朝、目が覚めると。
玄関でドタドタと何かが暴れる音。
鰤である。
父親が釣り上げたばかりの冬の味覚。
締めが甘かったせいか、血しぶきをあげながら元気に跳ね回っていたのだ。
おかげで玄関は血まみれスプラッター。
壁、床、私の靴。
至る所に血しぶきが飛び散り、さながらジェイソン・ボーヒーズの仕事跡みたいになっている。
トロ箱に入ってた大物。
箱のサイズが合わな過ぎて、全く収まっていない。
この時期の鰤の美味さは別格。
刺身でよし、煮つけでよしな冬の友。
寒いこの季節にぴったりなのは、大根と鰤だけのシンプルな味噌汁。
これがまた滅法美味い。
身から出る脂がコクに、骨からでるエキスが旨味となり、少ない材料ながらも深い味わいに仕上がるのである。
だが、鮮度の高い魚の究極の調理は、なんといっても刺身であろう。
冬の鰤の特徴はその脂肪の多さ。
テラリと光るこの脂が美味さの秘訣。
この健康志向の世の中に逆行するべく、醤油を刺身が泳ぎだすほど大量に注ぎ込んでいただくが、脂肪が多すぎて、醤油が乗らん。
醤油を弾くほどに、美味い脂を身にまとった芸術的切り身を口に運ぶ。
歯をたてた瞬間に、旨味を包んだ脂がほとばしる。
甘い。
弾く脂に負けないように、たっぷりと醤油の海で泳がせたにも関わらず、甘い。
良質な魚の脂は甘いのだ。
甘さは美味さである。
しっとりとした身の舌触り。
舌の上を滑るように、滑らかに口腔の奥へ流れてゆく。
至福の瞬間である。
刺身を見ても、「はあ、また鰤かよ」と文句を言うぐらい、この冬も鰤三昧の日々を過ごすのである。
漁師の家に生まれて良かったと思えるこの季節。
普段は文句しかいわない父と子だが、この時期だけは父に感謝。
お父ちゃん様様。
新春を迎え、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます!
今年もやります!
馬なみに。