黒の女王 おふくろの味

GW最後の月曜日は仕事がお休み。

午後からいつもの畑へ向かう。

風がやや強いが、日差しは強く、暑いくらいの良い天気。


506 桃 ジャンボ白凰

506 ジャンボ白凰 2

ジャンボ白凰。
綺麗なライトグリーンが目に鮮やか。


506 川中島白桃

川中島白桃。
こちらも美しい新緑。白凰に負けるな。


506 桃 ひなのたき

506 ひなのたき2

ひなのたき。
アリが右往左往している。

桃もスモモも、よくアリがたかっていて、木の表面を舐めるように、じっとしている。

調べたところ、植物の中には花外蜜腺(かがいみつせん)といって、花以外の場所から蜜を出すものがあり、蜜をアリに吸わせることで、アリに身を守らせているこのこと。

植物と昆虫の関係は、実に奥が深い。


感心しながら、果樹畑を見回っていると、何やら黒くうごめく者が。


506 女王アリ1

506女王アリ2

顔には、強さを誇る頑丈そうな顎。

しかし、頭はこまい。

こまい頭に反して、腹はボテ腹。

顔の輪郭、体の構成からして、黒アリの女王のよう。

こんな山の畑で、The March Of The Black Queen。

でっかい腹を揺らしながら、のそのそ歩いておられるではないか。


女王様。このような俗世に居てはなりませぬ。

このままここに居たら、この中年の心ない天使が踏み潰しかねない。

そっと、林の奥に返してあげた。

やがて沢山の赤ちゃんを産み、私の果樹を守ってくれるのであろう。

※よく調べたら、画像の虫は蟻の女王ではなく、ツチハンミョウという昆虫であった。我無知蒙昧ナリ。


さて。

蟻を召し上がったことがあるだろうか?

生で。


私が幼稚園に通っていたあの日。

随分遠い昔の話であるが、昼のお弁当の時間であった。

母が作ったお弁当を、自分のロッカーに取りに行った際、床にぞろぞろと、ゆらめく黒いひとすじの流れ。

アリさんの行進である。

その流れは、となりのたか子ちゃんのロッカーを無視して、私のロッカーに続いていた。

目指すゴールは、私のロッカーにある弁当袋。

虫を見るとテンションが上がるのが子供。

楽しい給食の時間がより楽しくなった。

弁当を袋から取り出し、蓋を、開けてビックリ弁当箱。

母の手作り弁当は、アリ御膳に。

どうやら、オカズのスパゲッティナポリタンが目当てだったようで、ナポリタンにビシッとお集まりくださっていた。

白いご飯は、ゴマ塩ごはんならぬ、黒アリごはん。

なかにはご飯の粘りで、ご臨終の方もいらっしゃったご様子。

どうしてよいかわからないので先生に聞く。


「センセー、お弁当箱にアリん入っちょったー」と私。


すると先生から奇跡の一言。


「アリは食べらるっけん、そんまま食べちいいとよ~。」


「ハーイ(^o^)/」


はい。食べました。

生きているのも、死んでいるのもおかずに混ぜて。

アリには蟻酸(ぎさん)という成分があるので、刺激があるらしいのだが、なんせ昔のことで、刺激があったかは忘れてしまった。

なんか苦味があったような気もするが。


しかし、あの食感は覚えている。

歯に挟まる、アリさんの足。

プチプチ潰れる、アリさんの頭。

おつゆが出たのかもしれない、アリさんのお腹。


ミルキーはママの味。

母の弁当はアリの味。

その日の弁当は、生涯で一番忘れられない弁当となった。

家に帰ってこの話を母にしたら、意外とすんなり受け入れており、母も「アリ虫食べたら強なるとよ」と話してくれた。
(今でもこのアリクイ事件は、母との笑い話である)

近頃、スパゲティナポリタンが流行っているようだが、壱岐の田舎じゃ、随分前にアリさんが美味さを証左してくださっていたのである。


アリは食べられる。

ただし、歯に詰まる。

これが私の、アリについての食味の全てである。

comment

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No title

おはようございます~♪

毎度ムシさんと仲良く戯れていらっしゃいますが、
今回は、ご馳走になっちゃったんですか??
むか~し。。。
子どものお弁当のおかず、
きゅうりにムシがついていたと、
今でも思い出すと、チクチク言われます。
そんなの全然覚えていないよ~~

女王様、
無事にお帰りになりましたか??

No title

こんにちは、初めまして。

アリも植物を守ってるのですね。
うちではつい最近、ありの巣コロリで殲滅してしまい
ました´д` ;
植木鉢をどけたら下に『わ〜』といたもので…つい…
虫はなるべく殺さないようにしてるのですが(~_~;)
可哀想なことをしてしまいました…。


なおさん様、こんばんは。

そういえば、職場にあったいちごをこっそりつまみ食いしていたら、数個食べたところで、ちっちゃい青虫がピチピチついてるのも思い出しました。。。あれは流石に気持ち悪かった。

黒の女王様、よくよく調べたら、アリじゃなかったです。
『ツチハンミョウ』って名前の虫でした。

ちなみにツチハンミョウには、毒があり、忍者も使ってたとか。
素手で触らんでよかったです^^;

ふりすきぃ様、こんばんは。

私も以前はブルーベリーを鉢栽培してた時、鉢の中に巣を作ったアリを退治する為、アリの巣コロリで殲滅させたことあります。

鉢から抜いて、バケツに沈めて水責めにしたり。

アリがダチョウ倶楽部なら、『殺す気か~!』って言われてたでしょうね。

No title

藻の上の旦那さん
子供さんの頃、凄い体験をされているのですね。とても面白いレポートでした。
それに対するお母様の言葉もまた凄いですね。肝っ玉母さんみたいで素敵です!良い味出してますね~。
蟻の味、食べたことはありませんでしたが、この記事を拝見しただけで十分よくわかりました(笑)御馳走様でした(^人^)

Reveille 様、こんにちは。

世が世なら『幼稚園教師、児童にアリを食べさせる!』って、問題になりそうな^^;

今考えたら、先生の一言もすごいけど、かあちゃんの納得っぷりもちょっとどうかしているかと。

牧歌的といいますか、いい時代だったんでしょうね。

山の畑の草取り、お疲れ様でした!
さすがに二ヶ月も放置したら、すごいことになるんですね^^
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Author:藻の上の旦那
玄界灘に浮かぶ壱岐で、果樹栽培に勤しむ中年です。
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